埼北よみうり新聞

読売新聞購読案内

スポーツ報知新聞

048-599-0333

2022/5/13 掲載記事

成身院百体観音堂

成身院百体観音堂

これな~に?それな~に?
成身院百体観音堂(本庄市)

本庄市児玉町小平地域には、秩父三十四観音、坂東三十三観音、西国三十三観音をひとところにまつる「成身院百体観音堂」がある。

外観は2階建てのようだが、内部は3層構造になっていて、順路を進むと中央本尊の周りを3巡する丁寧な礼拝ができる。巻貝に似ている造りから「さざえ堂」と呼ばれ、曹源寺さざえ堂(群馬県太田市)、旧正宗寺三匝堂(福島県会津若松市)と並び、日本三大さざえ堂と称されている。

百体観音堂は、1783(天明3)年に起きた浅間山大噴火の犠牲者供養のために建立された。噴火による火砕流は、麓の村をひとのみにした。犠牲者は1,500人に上り、多くの遺体は利根川を流れていったという。

成身院の僧侶・元真は、現在の坂東大橋の辺りに壇を築き、近隣の僧侶とともに法華経の経文全てを一万回読経する「法華経一万部真読」を始め、百体観音像造立を発願。道半ばで亡くなったが、悲願は弟子の元映に引き継がれた。92(寛政4)年には百体の観音像がそろい、3年後に観音堂が完成。残念ながら明治中期に焼失し、1910(明治43)年に現存のお堂が再建された。

現在、7年に1度の「御開帳」が行われている善光寺(長野県長野市)は、浅間山大噴火の被災地支援に尽くしたことで知られる。多くの参詣者を集める名刹のように、この地域にも大災害の被災者に心を寄せた歴史が息づいている。

室町時代に造立された三仏、直径180㎝、厚さ60㎝、重さ750㎏の巨大な鰐口、唐銅造大日如来坐像と百体観音堂を合わせ、4つの文化財が一堂に会するのも見どころとなっている。

本庄市児玉町小平653。10時~16時(木曜定休)。拝観料300円。詳しくは、本庄市観光農業センター TEL:0495-72-6742へ。

百観音をまつる堂内

百観音をまつる堂内

室町時代に造立された三仏

室町時代に造立された三仏

唐銅造大日如来坐像

唐銅造大日如来坐像

巨大な鰐口

巨大な鰐口

関連リンク

Copyright © saihokuyomiuri.

埼北よみうり新聞
これな~に?それな~に?
成身院百体観音堂(本庄市)

成身院百体観音堂

成身院百体観音堂

2022/5/13 掲載記事

本庄市児玉町小平地域には、秩父三十四観音、坂東三十三観音、西国三十三観音をひとところにまつる「成身院百体観音堂」がある。

外観は2階建てのようだが、内部は3層構造になっていて、順路を進むと中央本尊の周りを3巡する丁寧な礼拝ができる。巻貝に似ている造りから「さざえ堂」と呼ばれ、曹源寺さざえ堂(群馬県太田市)、旧正宗寺三匝堂(福島県会津若松市)と並び、日本三大さざえ堂と称されている。

百体観音堂は、1783(天明3)年に起きた浅間山大噴火の犠牲者供養のために建立された。噴火による火砕流は、麓の村をひとのみにした。犠牲者は1,500人に上り、多くの遺体は利根川を流れていったという。

成身院の僧侶・元真は、現在の坂東大橋の辺りに壇を築き、近隣の僧侶とともに法華経の経文全てを一万回読経する「法華経一万部真読」を始め、百体観音像造立を発願。道半ばで亡くなったが、悲願は弟子の元映に引き継がれた。92(寛政4)年には百体の観音像がそろい、3年後に観音堂が完成。残念ながら明治中期に焼失し、1910(明治43)年に現存のお堂が再建された。

現在、7年に1度の「御開帳」が行われている善光寺(長野県長野市)は、浅間山大噴火の被災地支援に尽くしたことで知られる。多くの参詣者を集める名刹のように、この地域にも大災害の被災者に心を寄せた歴史が息づいている。

室町時代に造立された三仏、直径180㎝、厚さ60㎝、重さ750㎏の巨大な鰐口、唐銅造大日如来坐像と百体観音堂を合わせ、4つの文化財が一堂に会するのも見どころとなっている。

本庄市児玉町小平653。10時~16時(木曜定休)。拝観料300円。詳しくは、本庄市観光農業センター TEL:0495-72-6742へ。

百観音をまつる堂内

百観音をまつる堂内

室町時代に造立された三仏

室町時代に造立された三仏

唐銅造大日如来坐像

唐銅造大日如来坐像

巨大な鰐口

巨大な鰐口

関連リンク