2023/2/10 掲載記事
谷津田とため池(比企丘陵農業遺産推進協議会提供)
比企丘陵の天水(雨水)を利用した谷津沼農業システムが先月17日、日本農業遺産として認定された。2018年に最初に申請してから、6年越し、3度目の挑戦で成し遂げた。
日本農業遺産とは、社会や環境に適応して継承されてきた独自な伝統農林水産業と、それにともない育まれた文化や景観、生物多様性など、重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を国が認定する。比企丘陵地域では、天水を利用した農業遺産の認定を目指し2017年、比企丘陵農業遺産推進協議会が発足した。現在、事務局を置く滑川町をはじめ、東松山市、熊谷市、嵐山町、小川町、吉見町、寄居町のほか、埼玉中央農業協同組合、くまがや農業協同組合、埼玉県東松山農林振興センター、埼玉県大里農林振興センターで構成されている。
比企丘陵地域では古くから、谷状の谷津地形を生かした多数のため池が築かれ、谷津田での稲作と谷津斜面での少量多品目の畑作が行われている。今回、ため池の天水のみを水源とした農業と、「沼下」と呼ばれる伝統的な水利組合組織によって水が管理されてきた仕組みが評価された。加えて、河川等からの導水がないことで、貴重な生態系が維持されていることも高い評価を得た。
同協議会の会長を務める大塚信一滑川町長は「認定されたことを、素直に喜んでいます。ただし、認定は通過点。ここからどういう風に地域の農業振興や観光振興に結び付けていくか。協議会の連携をさらに深めていきながら、先人たちがつないできた伝統を今後も伝えていけるように、力を合わせて進めていきたい」と協議会一丸となって今後の展開を模索していく。
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谷津田とため池(比企丘陵農業遺産推進協議会提供)
2023/2/10 掲載記事
比企丘陵の天水(雨水)を利用した谷津沼農業システムが先月17日、日本農業遺産として認定された。2018年に最初に申請してから、6年越し、3度目の挑戦で成し遂げた。
日本農業遺産とは、社会や環境に適応して継承されてきた独自な伝統農林水産業と、それにともない育まれた文化や景観、生物多様性など、重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を国が認定する。比企丘陵地域では、天水を利用した農業遺産の認定を目指し2017年、比企丘陵農業遺産推進協議会が発足した。現在、事務局を置く滑川町をはじめ、東松山市、熊谷市、嵐山町、小川町、吉見町、寄居町のほか、埼玉中央農業協同組合、くまがや農業協同組合、埼玉県東松山農林振興センター、埼玉県大里農林振興センターで構成されている。
比企丘陵地域では古くから、谷状の谷津地形を生かした多数のため池が築かれ、谷津田での稲作と谷津斜面での少量多品目の畑作が行われている。今回、ため池の天水のみを水源とした農業と、「沼下」と呼ばれる伝統的な水利組合組織によって水が管理されてきた仕組みが評価された。加えて、河川等からの導水がないことで、貴重な生態系が維持されていることも高い評価を得た。
同協議会の会長を務める大塚信一滑川町長は「認定されたことを、素直に喜んでいます。ただし、認定は通過点。ここからどういう風に地域の農業振興や観光振興に結び付けていくか。協議会の連携をさらに深めていきながら、先人たちがつないできた伝統を今後も伝えていけるように、力を合わせて進めていきたい」と協議会一丸となって今後の展開を模索していく。
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