高齢者の通いの場づくり
移動販売車運行 10年後も見据え（長瀞町）

移動販売車「うえたん号」

2023/1/13 掲載記事

長瀞町は、高齢者の介護予防やひきこもり防止、近隣住民との交流の機会を増やす「通いの場づくり」としてこのほど、移動販売事業をスタートさせた。大手ドラッグストアチェーン・ウエルシア薬局と共同で、移動販売車「うえたん号」を運行している。

移動販売車は、毎週月曜から金曜までの間に、町内の集会所・公会堂など35か所を回るコースを設定。食品・日用品など多数の商品を積み込み、店舗と同じ値段で販売する。キャッシュレス決済にも対応し、事前注文で第一類医薬品の購入ができる。車両に搭載した大型モニターを通して、オンラインで町内店舗の薬剤師や管理栄養士を結び、健康相談なども受けられることから好評となっている。

地域との調整を担当した長瀞町社会福祉協議会・野口恵子主任は、「生活支援体制整備事業の一環として、地域の方々がボランティアで一人暮らしの高齢者の買い物を手伝う『買い物サロン』を実施してきましたが、地域の10年後を見据えた取り組みとして移動販売事業の検討を続けてきた」と振り返る。

町内の店舗で買い物サロンを受け入れ、薬剤師による健康講座の開催など地域との交流を深めていたウエルシア薬局は、「『だれひとり取り残さないまち』の実現を目指し、地域社会への安心・安全を提供するインフラ機能を担いたい」と町の募集に手を上げ、実施事業者として採択された。

買い物に訪れた地域の人たちは、商品を手に取って買い物を楽しみ、近所の人やスタッフと会話を弾ませていた。

運転免許を返納しているという福島文子さんは、「家の近くまで来てくれるのでとても便利。近所の方の顔が定期的に見られるので安心できます」と笑顔だった。

移動販売車で買い物を楽しむ

関連リンク

• ウエルシア薬局 地域貢献活動